阿修羅展
4月2日(木)
阿修羅展は、昨年暮れから大きな看板が、上野周辺の駅に立てられ、前宣伝の上手な朝日新聞社の主催である。私は早目の1月5日に近所のコンビニでペア券(2枚綴りで2400円)を買っていた。当日券は1人1500円。
興福寺の中金堂を再建する資金集め、という側面もあるようだ。
阿修羅像は、過去に実物を見たか、どうか記憶にはない。それだけ、いろいろな本や雑誌で目にすることがあったからである。私には、手塚治虫の『火の鳥』で扱っていたもののイメージが残っている。阿修羅像や八部衆(4月19日までは全て揃う)を扱っていたように思うが、火の鳥のどの『巻』のどの話の場面で扱っていたのか記憶にない。
あらためて阿修羅像を写真等で見ると、少年のような眼差しの像が、「阿修羅」というおどろおどろしい名と不釣り合いの憂いを含んだ表情で、何かを語りかけるようにしっかりと空間に直立している姿に魅惑がある。今回の展覧会では、360°全身像が見られると言うことで、時間を作って見に行くことにした。
会場に入って、まず最初に阿修羅像に向かう。それからあたためて入口から見て行く。阿修羅像を実際に見た感想は、期待した通りだった。とくに裏からも見られたことは良かった。360°じっくりと見てみると阿修羅像がまるで、キュビズムの彫刻のようにモダンに見えて来た。よくみると腕の先の指が欠損しているところがある。1300年の時代を越えてここに存在していることに感銘を受ける。源平の戦い(治承の乱)の兵火などで何度か本堂が焼失しても守られて来た、守り抜いて来た人々の憶いも伝わって来るようだ。
像は脱活乾漆造とう方法で作られている。非常に手間のかかる当時としても高価な漆という材料を多量に使うため、その後造られなくなった方法であるが、完成したものは鋳造した像に比べて大変軽くなるので、避難が容易だったそうだ。そのために1300年も、守ることが出来たという側面もある。
ただ、会場で像を映す照明は、暗くはしているが、ポスター等で見られる像の色合いと若干違っていて、全体が黄色味を帯びて見えた。実際の太陽光線ではどのような色合いなのであろうか。
阿修羅像には髭も描かれた後は薄く見られるが、製作時には、より着彩されているのであろうから、可能ならばバーチャルリアリティ映像で再現されたものを見てみたい。展示会場でのバーチャルリアリティ映像では、高精細画撮影画像での阿修羅像と再建される予定の中金堂の上映があった。
阿修羅展を見た後、本館全体をしっかり見ると1日かかるし、過去に何度か見たことがあるので、特集陳列の「黒田清輝のフランス留学」だけ見るつもりであった。掲示されていた特集陳列「酒呑童子」もおもしろそうなので参観した。
この時期だけの春の公開(3月14日から4月19日まで)の庭園も見学。
法隆寺宝物館のレストランで食事しようとしたが、待っている人が多くて止める。
国際子ども図書館で食事し、隣にある黒田記念館も見学。黒田記念館は、元美術研究所で、木曜日と土曜日の13時から16時だけであるが、無料公開である。
サクラの時期の上野公園は報道で見るばかりで、今までも「来てみたい」と思ったことはなかったが、少しだけサクラのようすを見てみた。7分咲きであろうか。通りの人々は満開状態である。しかし、最大ピーク時にはその2倍の人ほどになるのであろう。

9時20分にこのようす。過去に「源頼朝像」展示の企画展で、おそろしく入館まで時間がかかったことを思い出す。
正門で並んでいる人は200人位。館の入口の方に300人ほどいた。
国立博物館では、開館時間を金、土、日は20時までとしているそうだ。さすがにその時間だとゆっくり見られるのだろうが、その時間に行きたいとは思わない。

9時20分に券の確認。



入館は30分から。後ろにもこのような列が。

写真は、いっさい禁止です。

入口には、興福寺の僧が。

本館展示撮影は、ストロボなしなら写真OK。黒田清輝の有名な『読書』。フランス留学中に親しくなった農家の娘さんをモデルにしたものだそうだ。フランスには法律を学びに行き、法律を学ぶことに限界を感じ(フランスの法律からよりドイツの法律から学ぶものが多いと当時の政府は考えたようだ)、絵を学ぶようになったそうだ。大作『智・感・情』にモダンな息吹を感じた。
特集陳列「酒呑童子」には、むかし噺は残酷な場面が洋の東西を問わず描かれることが多いが、室町時代当時の残酷な「むかし噺」の1種として、このようなお噺を楽しむ?人も少なくなかったのだな」と思った。

本館から、上野公園方面を写す。

本館脇から庭園へ。

やけにカラスが多くてうるさかった。


五重塔。6m近い銅製の塔。1700年頃のもの。最上部の相輪に龍が絡み付いている。

ニリンソウがほんの一輪。

春草庵。

転合庵。

本館を望む。

応挙館。


九条館。

わずかにガラス越しに山水画の襖絵が見られる。

九条館全景。

六窓庵。

本館側から転合庵を望む。

ショウフクジザクラ。実がなるそうだ。


正門側から表慶館を望む。

法隆寺宝物館。

黒門。

1997年まで使われた京成博物館動物園駅の入口。

国際子ども図書館。

国際子ども図書館内のカフェテリア。高くはないがおいしくない。Aランチ(700円)のロールキャベツは冷めていました。Bランチ(600円)はスパゲッティ。

国際子ども図書館から撮った国立博物館。停まっている白いバンが目障り。
国際子ども図書館では「ゆめいろのパレット? 野間国際絵本原画コンクール入賞作品 アジア・アフリカ・ラテンアメリカから」をやっていたので見る。絵本の絵画であってもエネルギッシュなものを感じた。

国際子ども図書館の隣の黒田記念館へ。黒田記念館は、元美術研究所であったので、関係の機材の展示もあった。これは撮影機。

東京文化財研究所の写真についての見解が共感出来る。

この大きな箱のようなものは何か、会場の方に行くと、空調機だそうだ。昔のものなので、このように仰々しくなるそうだ。

高村光太郎作の黒田清輝像。

有名な「湖畔」を反射近赤外線カメラで撮ったもの。

黒田記念館の天井の一部。

「湖畔」モデルは黒田清輝夫人、照子。場所は芦ノ湖。

「婦人肖像」これもモデルは黒田夫人か。


上野公園のサクラ状況。


4月2日(木)
阿修羅展は、昨年暮れから大きな看板が、上野周辺の駅に立てられ、前宣伝の上手な朝日新聞社の主催である。私は早目の1月5日に近所のコンビニでペア券(2枚綴りで2400円)を買っていた。当日券は1人1500円。
興福寺の中金堂を再建する資金集め、という側面もあるようだ。
阿修羅像は、過去に実物を見たか、どうか記憶にはない。それだけ、いろいろな本や雑誌で目にすることがあったからである。私には、手塚治虫の『火の鳥』で扱っていたもののイメージが残っている。阿修羅像や八部衆(4月19日までは全て揃う)を扱っていたように思うが、火の鳥のどの『巻』のどの話の場面で扱っていたのか記憶にない。
あらためて阿修羅像を写真等で見ると、少年のような眼差しの像が、「阿修羅」というおどろおどろしい名と不釣り合いの憂いを含んだ表情で、何かを語りかけるようにしっかりと空間に直立している姿に魅惑がある。今回の展覧会では、360°全身像が見られると言うことで、時間を作って見に行くことにした。
会場に入って、まず最初に阿修羅像に向かう。それからあたためて入口から見て行く。阿修羅像を実際に見た感想は、期待した通りだった。とくに裏からも見られたことは良かった。360°じっくりと見てみると阿修羅像がまるで、キュビズムの彫刻のようにモダンに見えて来た。よくみると腕の先の指が欠損しているところがある。1300年の時代を越えてここに存在していることに感銘を受ける。源平の戦い(治承の乱)の兵火などで何度か本堂が焼失しても守られて来た、守り抜いて来た人々の憶いも伝わって来るようだ。
像は脱活乾漆造とう方法で作られている。非常に手間のかかる当時としても高価な漆という材料を多量に使うため、その後造られなくなった方法であるが、完成したものは鋳造した像に比べて大変軽くなるので、避難が容易だったそうだ。そのために1300年も、守ることが出来たという側面もある。
ただ、会場で像を映す照明は、暗くはしているが、ポスター等で見られる像の色合いと若干違っていて、全体が黄色味を帯びて見えた。実際の太陽光線ではどのような色合いなのであろうか。
阿修羅像には髭も描かれた後は薄く見られるが、製作時には、より着彩されているのであろうから、可能ならばバーチャルリアリティ映像で再現されたものを見てみたい。展示会場でのバーチャルリアリティ映像では、高精細画撮影画像での阿修羅像と再建される予定の中金堂の上映があった。
阿修羅展を見た後、本館全体をしっかり見ると1日かかるし、過去に何度か見たことがあるので、特集陳列の「黒田清輝のフランス留学」だけ見るつもりであった。掲示されていた特集陳列「酒呑童子」もおもしろそうなので参観した。
この時期だけの春の公開(3月14日から4月19日まで)の庭園も見学。
法隆寺宝物館のレストランで食事しようとしたが、待っている人が多くて止める。
国際子ども図書館で食事し、隣にある黒田記念館も見学。黒田記念館は、元美術研究所で、木曜日と土曜日の13時から16時だけであるが、無料公開である。
サクラの時期の上野公園は報道で見るばかりで、今までも「来てみたい」と思ったことはなかったが、少しだけサクラのようすを見てみた。7分咲きであろうか。通りの人々は満開状態である。しかし、最大ピーク時にはその2倍の人ほどになるのであろう。

9時20分にこのようす。過去に「源頼朝像」展示の企画展で、おそろしく入館まで時間がかかったことを思い出す。
正門で並んでいる人は200人位。館の入口の方に300人ほどいた。
国立博物館では、開館時間を金、土、日は20時までとしているそうだ。さすがにその時間だとゆっくり見られるのだろうが、その時間に行きたいとは思わない。

9時20分に券の確認。



入館は30分から。後ろにもこのような列が。

写真は、いっさい禁止です。

入口には、興福寺の僧が。

本館展示撮影は、ストロボなしなら写真OK。黒田清輝の有名な『読書』。フランス留学中に親しくなった農家の娘さんをモデルにしたものだそうだ。フランスには法律を学びに行き、法律を学ぶことに限界を感じ(フランスの法律からよりドイツの法律から学ぶものが多いと当時の政府は考えたようだ)、絵を学ぶようになったそうだ。大作『智・感・情』にモダンな息吹を感じた。
特集陳列「酒呑童子」には、むかし噺は残酷な場面が洋の東西を問わず描かれることが多いが、室町時代当時の残酷な「むかし噺」の1種として、このようなお噺を楽しむ?人も少なくなかったのだな」と思った。

本館から、上野公園方面を写す。

本館脇から庭園へ。

やけにカラスが多くてうるさかった。


五重塔。6m近い銅製の塔。1700年頃のもの。最上部の相輪に龍が絡み付いている。

ニリンソウがほんの一輪。

春草庵。

転合庵。

本館を望む。

応挙館。


九条館。

わずかにガラス越しに山水画の襖絵が見られる。

九条館全景。

六窓庵。

本館側から転合庵を望む。

ショウフクジザクラ。実がなるそうだ。


正門側から表慶館を望む。

法隆寺宝物館。

黒門。

1997年まで使われた京成博物館動物園駅の入口。

国際子ども図書館。

国際子ども図書館内のカフェテリア。高くはないがおいしくない。Aランチ(700円)のロールキャベツは冷めていました。Bランチ(600円)はスパゲッティ。

国際子ども図書館から撮った国立博物館。停まっている白いバンが目障り。
国際子ども図書館では「ゆめいろのパレット? 野間国際絵本原画コンクール入賞作品 アジア・アフリカ・ラテンアメリカから」をやっていたので見る。絵本の絵画であってもエネルギッシュなものを感じた。

国際子ども図書館の隣の黒田記念館へ。黒田記念館は、元美術研究所であったので、関係の機材の展示もあった。これは撮影機。

東京文化財研究所の写真についての見解が共感出来る。

この大きな箱のようなものは何か、会場の方に行くと、空調機だそうだ。昔のものなので、このように仰々しくなるそうだ。

高村光太郎作の黒田清輝像。

有名な「湖畔」を反射近赤外線カメラで撮ったもの。

黒田記念館の天井の一部。

「湖畔」モデルは黒田清輝夫人、照子。場所は芦ノ湖。

「婦人肖像」これもモデルは黒田夫人か。


上野公園のサクラ状況。


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