教育課程学習交流集会確かな学力と豊かな人間性を育む学校を
1月29日(土)
「こうやって実践を進めよう!ー講座と質疑・討論ー」
「国語の学習」上西信夫さん「算数の学習」斉藤隆さん
「歴史教科書問題について考えよう!」平形千恵子さん
駅から南口に行ってしまったりしたが定刻に本八幡の市川教育会館に着く。10時から16時15分まで。
午前中は小学校の報告なので行くのを迷ったが原則的に参加してきたので、今回も最初から参加した。
上西さんは、~ことばの力を育てる国語の授業~というテーマで新学習指導要領の課題と自らの実践をどのように進めるかを体系的に話された。改訂学習指導要領による新教科書のページ数はかなり増えるが、物語分や説明文が増えるのではなくて、いわゆる「言語活動の事項」の部分が増えるたり、文法上の事項が増えたりするのだそうだ。上西さんは文芸研の幹事会代表でもあるので、上西さんの2010年の8月の広島での全国研究大会基調提案がレポートに掲載されていたが、国語教育の抱える課題についての分析が明確であった。国際基準の競争の学力を要求する学力観は、道徳教育を柱に、技術的技能的な国語力を子ども達に要求するものとなる。このような学力観は、生き方に繋がらない「論語読みの論語知らず」であると表現していたが、まさに私たち理科教育にも同様のことが要求されている面がある。「国語教育を通じて、歴史の主体者として世界を読み解き、意味・価値の発見と創造に向かう生き方をこそめざすべき」という投げ方は理科教育にも言えることである。
午後からの斉藤さん(数教協)の報告は、新学習指導要領の話は簡単に、主に算数の実践の報告であった。教師が真に「やりたいようにやる」ことが子どもも喜び親も喜ぶ。そのような実践を目指してきたと語る。国語と同様に算数の教科書もページ数が増えたが、内容は減らせれたものが10年前のものに戻ったもの。教科書のページ数増は練習問題としての「ステップ・ジャンプ」と読み物が増えただけだそうだ。
私は先日,生徒に質量パーセント濃度のミニテストをやらせたら、生徒の半分位が「小数第2位を四捨五入する」が分からず、小数の割り算については、5分の1位があやふやであった。「今後、訓練?としての計算問題をやらせることは増えるのでしょうか?」と質問したが「多少増えるだろうが、まずは意味を理解させることが大切」と答えていた。他の小学校の教師からは、現指導要領では「小数の割り算は小数第1位の位までしか計算させないし、割り算は2桁までしか行わない」とのこと。だから『円周率は「3.1」まで』という話があった、ということである。私は、そのことは聞いてはいたが、小学校の現場では、けっこうそんなことは無視して、もっと練習問題をやらせているのではないか、と思っていた。「小学校の現場ではそこまで、やらせる時間がない」ので、現実に「割り算は2桁まで、小数の割り算は小数第1位まで」というのがほとんであるとのことである。「四捨五入も一応教えるが、徹底は難しい」とのこと。これらのことは中学校の数学で学習することはほとんでないので、私が先日行った質量パーセント濃度のミニテストが生徒ができないのは、当たり前なのであった。
今日、この学習会に来ることを迷ったが、そのことを確認出来たのが成果ではあった。
『千葉県で”侵略戦争を正当化する教科書”を採択させないために』という子どもと教科書ネット21の平形さんの講演は、来年度の採用教科書決定を前に、つくる会の「扶桑社→育鵬社」「自由社」の教科書の問題点を話された。「つくる会」の「教育再生」という機関誌?には「つくる会」の教科書を採用させるための「採択戦の準備に入って下さい!」と檄を飛ばし『反「つくる会」勢力は、共産党、日教組、自治労、韓国民団などの反日サヨク勢力で、全体で見れば圧倒的小数にすぎません。』と書かれている。いわゆる「つくる会」はこのような認識で歴史教科書を子ども達に押し付けようとしているのである。これでは、真実を子ども達に認識させるために教科書を「つくる」のではなく、彼らの言う「反日サヨク勢力」を黙らせるために教科書を押し付けたいのだ」ということが本音であることが分かる。
昼は教育会館近くの居酒屋でランチ。700円のメンチカツ定食。
日射しはあったが寒い一日だった。北国はよりいっそう底冷えのする一日であったろう。