アンダンテ~稲の旋律~試写会で見る個のひととしての成長と農業そして食・芸術文化を見つめられる映画
3月19日(金)
松戸商工会議所別館ホールでの
アンダンテ試写会。参加者は20人程か。会場はもと事務所だった所で、あんまり暗くなっていず、段ボールで光を塞いでいた所が何カ所かあった。実行委員挨拶の後に上映。スクリーンに段ボールから少し光が漏れているので映像が少し白っぽくなってしまっていた。上映後に券の普及の呼びかけがあった。実行委員会は
ひだまり(不登校問題を考える東葛の会)の方々が核になっている。
映画の感想 映画の内容は予想通り良かった。アンダンテという映画のための題名が良いが、数年前に読んだ原作も良い。
ピアノと稲(田圃)をバックグランドにして、印刷会社や平飼いの卵、そして日本の農業問題も語られ、私にとって身近な課題がたくさんあった。「おもひでぽろぽろ」の劇場版という側面も見られたが、「ひきこもり」と「ピアノ」という設定が違うし、『単なる恋愛物語』になっていない。主題を貫いているのは、自己肯定感の再構築、自己の再出発(自分探し)というテーマと社会的問題だろう。原作が良い。主演の新妻聖子は、とくに前半は、演技がうまいとは言えない(最初の登社拒否の場面は演技を作り過ぎ?舞台癖が出た?)ように思えたが、映画としての演技の不器用さ?のせいか、ひきこもりの青年の感じが良く出ていたように思う。農村での演技は自然だ。それは意図的な者かもしれないが、ひきこもりの青年はあのような表情をしないのではないだろうか。さまざまなひきこもりの姿があるだろうが。最後の字幕の場面で彼女が歌を歌っているので、自宅で調べて見ると、彼女はミュージカル俳優であり、レ・ミゼラブルやミス・サイゴンに準主役級で出演していたそうなのだ。
家族である村野武範と宇津宮雅代の父母の姿勢が類型的で、少々パターン化された子ども理解が不十分な親、という感じに描かれているように思えた。とくに父親がよく天体望遠鏡の手入れを行っている場面が出て来るが、父親を高校の地学教師と描いているのであろうか。もし、地学教師だとしてもこの演出も類型的であるように思えた。
千葉の農村を舞台にした出演者の演技は、みなさん自然で気持ち良く見ていられた。
そのような対比が演出者の意図なのかもしれない。
松戸市民会館での本上映は
4月23日(金)10時~ 13時30分~ 18時45分~
前売り1200円。

実行委員挨拶。会場のホールはもとは松戸商工会議所の事務所だったような気がする。

試写会会場の松戸商工会議所別館。