教育市民集会ゆきとどいた豊かな教育を求める松戸市民集会子どもの貧困に立ち向かう 2月7日(日)
13時から。参加費400円。38回目。
さいたま教育文化研究所事務局長 白鳥 勲さんの講演。
まず、実行委員長の挨拶と経過報告後に、
各分野からの報告
①保育所 半数が母子家庭や父子家庭の子。生きるための緊張感を親が感じながら生活。5歳児でありながら生活リズムが乱れて寝ていて、月に1~2回しか登園しない子。保護者は母子家庭で夜の仕事なので、12時頃連れて来て、給食食べに来るだけ、というような生活リズムの狂った子。
②小学校 連絡がつかない保護者。準要保護の権利行使をしない。(面倒なのか?)25人中8人程が準要保護のクラスも。格安な教具は使えないものが多い。貧困な教育環境。
③学童 松戸市の学童は、保護者は月1万5千円の負担。東京は2000円程。大人の貧困が子どもの貧困。格差の広がり。
④中学校 1.5倍程準要保護世帯増えている。16人から23人。
⑤高校 就職求人票は半減。5回トライしてまだ駄目な真面目な生徒も。1回で内定は5分の1。授業料未納増加。3年で卒業を前にして3ヶ月未納者も数人いる。奨学金申請2倍も。クーラーの設置をPTA承認のもとで予算化し,PTAの金銭的な補助のもとで、エアコン入った学校がある。教育困難校は、入れられそうもない。学校の教育環境の格差。教室の蛍光灯も半分。教育困難校はゴミが多い。生徒の弁当はコンビニが多い。お菓子も多い。朝食を食べられないせいか。
⑥PTA(浅井さん)松戸市の義務制の各学校の教材費の資料配布。
白鳥 勲さんの講演。(さいたま教育文化研究所事務局長)
白鳥さんは、今年度からは再雇用で浦和工業高校に勤める。いわゆる「教育困難校」に30年以上勤めて来た物理の教師。
講演の要旨
本校では中退者3分の1。保護者の年収200万。公立高校でも年間40万かかる。生徒はバイトに追われる。家庭に入れるための生活費(月9万)を稼ぐ生徒も。バイトが最優先。親が書類関係に対応しない(できない)ので本人が役所に出かけることも。生徒の疲労感。
分からないことが分からない生徒。分からないことを見つけさせる。
授業での生徒との関係は、自身が昨年の「年越し派遣村」にボランティアで参加したことを話したことから関係が変わって来た。
『滑り台社会の中で1人で生きねばならないとしたら、君達はどうするか」(親や親戚、友達も頼れないとして)という発問に』
半数の生徒が「死ぬ」。次が「強盗」。生活保護の申請や役所に相談するは1人もいなかった。
現在の教育行政は「競争」がポイント。
埼玉県でも「クーラーの件」は全く同じ。「親の要望で設置する」という考え。
新自由主義は『平等と集団』を嫌う。
教員も「上司の指示で仕事をする」ということが、自分の責任回避になっている。職員室のネットカフェ状態。
全国で毎年、10万人が高校中退。本校では35%が中退。埼玉県の高校では50%が中退という高校も。入学試験の点数の平均30点から10点に。学校教育の底抜け状態。授業料減免者の増加。1995年は3%だったが、10%に。全国の生活保護世帯116万人。貧困は子ども達の学習潜在能力を奪う。
「学力と貧困と中退者のみごとな関連」
小学校低学年から、親が子どもに期待しない。子どもは期待されない。「意欲が育たない」支えがない状態。明日のことで精一杯。性の問題の低年齢化。
非正規雇用20年前は6人に1人。現在は3人に1人。20台は2人に1人。半失業状態1500万人。
「保険証がない」と交通事故にあっても救急車に乗らない高校生。「交通事故は保険証を使わないんだよ」と説得して救急車に乗せた。
まとめとして「人間によって意図的に作られた社会は人間によって変えられないはずはない。」
まとめの観点の話がもう少し長く話してもらいたかった。おおむねリアリティのある話であった。
講演のまとめ、提言を松教組の佐古さんから。
県教育振興基本計画の問題点を指摘。
16時45分閉会。

会場の稔台市民センターホール。

実行委員会代表 勝田ヨシ子さんの挨拶。

100名弱の参加者でした。

白鳥 勲さん。