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2019 年度の冬の合宿学習会
2019年 12月 26日(木) ~ 27日(金)
宿泊場所 いすみ市岬ペンション ガジュマル
フィールドワークは,洞穴に住むコウモリを観察。
元千葉県立高等学校理科教諭の大藪健さんの案内。
夜は実験紹介や授業報告。
翌日は勝浦市の海の博物館を見学しました。

冬の合宿参加者の感想
 今回訪れたコウモリ洞窟は、クレンザーに使用する白土を採るために掘られた人工 の坑道で、縦横に分岐して、何キロにもわたって延びていました。高低差があり、小さな崖も あり、一部は落盤しているような場所もありました。地下水でぬかるんでいて、滑って上下に 着用していた雨具は泥だらけとなりました。大藪先生は、100 回以上もこの洞窟を調査され、 現役の教員であったころは、生徒を連れて泊まり込み、コウモリの行動を調査したとのことで した。コウモリについて、大藪先生から以下のことを教えていただきました。
[異温性] 洞窟内の温度に合わせて、体温の設定ができる。代謝を減らすことで長生きし、
寿命が 30 年くらいのコウモリもいる。
[種類] この洞窟は4種類のコウモリが利用している。キクガシラコウモリとコキクガシラ
 コウモリは、越冬にも利用していて、今回観察することができる。
[行動と形態] 洞窟の天井に足の爪をひっかけてぶら下がる。足はヒトや他の哺乳類と反対向きに折れ曲がる。そのほうが洞窟の壁に止まるのに好都合である。 冬眠中の一頭の翼を大藪先生が広げて見せてくれました。手根骨から先の長く伸びた指の間 に皮膚が薄く伸びて、翼となっています。冬眠中は翼が体全体をくるんでいますが、皮膚には 軟らかい毛が生えていること、耳が顔と同じくらい大きくて、超音波の反響をとらえて行動するためのつくりになっていることなどを知ることができました。 手にとって観察した後、コウモリの爪を天井に触らせると、ほとんど眠ったままなのに、再びぶら下がってしまいました。 私は、次のような疑問をもちました。天井からぶら下がっているのが平常の姿だが、その姿で休まっているのか?ぶら下がった状態で、筋肉はいちばん楽な状態(伸びているとか)にな っているのか?哺乳類なのだから出産する。生まれたばかりの子はどうなっているのか?(答えは「子は親のコウモリにしがみついている」でした。)
 宿舎のガジュマルの夕食は、海藻をふんだんに取り入れた食事で海の幸を堪能できました。
 市川からは道のりが長く、コウモリ洞窟に来るのはたいへんであったのでしょうが、それに余りある感動であったと思います。
 授業報告は「ヒトの赤血球は核がない。そのメリットは何だろう。」の一つ。お楽しみ実験を含め、自分も何かを伝えられるよう、まとめてくるべきだったと反省しました。
 翌日の県立中央博物館分館・海の博物館では、普及係の吉田さんの解説がよかった。東京湾 は、浅い海が大部分だが、湾の入り口近くには、深海につながる海底谷があること。博物館の まわりは、山が海に迫り、リアス式海岸になっていること。勝浦には、深い海があることで、 豊かな生物相があること。砂浜にアカウミガメが産卵にくること。一宮海岸以北の九十九里浜 には、砂の流出を避けるために設けられたヘッドランドがあるが、それが逆に砂を流出させてしまっていること。たくさんのことを勉強できました。 ここには豊かな自然が残されていて、海の博物館が学習の拠点になっていました。この地を生徒たちとの学習に利用したいと思いました。(H)
あの光景&体験は、いろいろと一生モノです。歴史に残る体験になりました。 (T)
いすみ市出身の夫の実家の近くが、明治から洞窟が掘られ、貴重なコウモリの住みか だとは驚きでした。 (A)
コウモリの顔、飛膜と透けて見える骨、毛の柔らかさ、冬眠の様子、糞、全てが初め て目にするものでした。コウモリにいろいろ種類があることも、初めて知りました。合 宿に参加しなければ、コウモリに関心をもつことは、一生なかったと思います。一人で 入ったら絶対に出てこられない迷路の洞窟も「みんなで入れば怖くない」、ヒヤヒヤドキドキの体験でした。(T)
私自身は今まで鍾乳洞や戦争遺跡など、さまざな洞窟(洞穴)を見学して来ましたが、 今回のような体験は、最初から面喰らいました。コウモリを間近に見ることができ、触 ったり、持ってみることもできたりして、大変有意義でした。冬眠中だったこともある でしょうが、コウモリがかわいらしく思えました。フィールドワークを中心に中身はたいへん濃いものでした。洞窟を案内してくださっ た大藪さん、企画してくださったみなさん、それに海の博物館の方々には大変お世話に なりました。 (Z)
すでに約 50 年前の 1969 年(昭和 44 年)に閉抗になったという洞窟の存在に、まず びっくり。入ったときのわくわく感がたまらなかった。童心に返った気分であった。懐 中電灯の明かりだけを頼りに奥へ奥へと突き進むスリル。無数の側坑があるので、先導 者を見失うと迷子にあるという怖さがあった。コウモリが天井の石に爪をひっかけてぶ ら下がっている。それを手にとって ・・・・・ 。今にも首筋に落ちてきそうな無数のゲジゲ ジが天井にへばりついている。悲鳴を押し殺した空気が漂う中での観察が続けられた。 ・・・ 大藪さんらの野生生物保護の活動が地域に根付いているのだと強く感じたコウモリ 洞窟の見学であった。 (N)
コウモリのフィールドワークは、予想外の洞窟 の探検となり、おもしろかったです!人工の洞窟 内で冬眠しているコウモリをこんなに近くで観察 できるなんて驚きました。ふわふわのからだに触 ったことも忘れられない体験になりました。ヒトの赤血球に核がないメリットを 考えさせた授業報告も、答えがない授業展開で新 鮮に感じました。(いつもは高校の物理で正解がある授業をしているので) (K)
最も印象深かったのは、コウモリ観察です。人 工坑道に入る前は、運良く出会えればいいなあぐ らいに思っていました。しかし、入ってみると、 いるわ、いるわ、数え切れませんでした。冬眠し ているため、触っても起きなくて、生暖かい小さ な塊が少し揺れるくらいでした。なんとか顔を写 真にとろうとしましたが、すべてピントが合いま せんでした。体を翼で包んで冬眠している姿はよ くとれましたので、残念です。案内してくださっ た大藪さんのスライドは、コウモリの顔がとても はっきりわかりました。さすがですね。キクガシラコウモリ今回のようなアドベンチャーワールドは、何度 体験しても楽しいと思います。一生の思い出になりました。ありがとうございました。 最後に一句。 温かき 群れのコウモリ 目を閉じて(S)
1日目の夜からの参加になりましたが、コウモリの生態についての詳しい話や2日目 の海の博物館での千葉付近の海洋についての話がとても勉強になり楽しかったです。コ ウモリの洞窟探検に参加できなかったことがとても残念です。 (G)
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2019.12.28 Sat l 活動報告 l COM(0) TB(0) l top ▲
科教協ちば冬の学習会+総会報告
2017年12月25日(月)〜26日(火)
県立長生高校・武田屋旅館・関東天然瓦斯開発株式会社

 長生高校は地方の歴史ある立派な高校の趣がありました。
 講演は14時からです。その間に早目に来られた方に教材紹介をしてもらいました。
 14時から四ヶ浦さんの講演『実験で楽しむ 宮沢賢治サイエンスファンタジーの世界』
です。かぶりつきに優秀な小学5年生のMくんが興味深そうに話を聞いていました。四ヶ浦さんの質問にも的確に応えを返していました。予定では、16時には終え、30分程の質問コーナーを行うはずでしたが、四ヶ浦さんのエネルギッシュな講演は休憩もなしで次から次への実験紹介があって、気が付いたらすでに16時30分近く。大慌てで終了し片付けしました。16時40分には撤収しましたが、長生高校にはご迷惑をかけました。
 片付けに慌ただしく、参加者の感想を聞くことがほとんどできませんでしたが、小学校の子も含め、何人かの方に聞くと「おもしろかった」という声が圧倒的でした。
 17時に武田屋旅館に。武田屋旅館はアルコールも持ち込み可なので、買い出しに。エビスが5割引(賞味期限ぎりぎりなので)でしたので多量に買ってしまいました。18時30分から夕食です。持ち込み可なので(?)夕食を摂りながらすでに交流会状態で盛り上がってしまいました。
 20時からSさんの「放射線と科学」の発表です。20時45分からKさんは模型を使った「オスプレイの構造的問題」などの発表。21時からNさんの「南アフリカのペンギン」の発表。ペンギンがかわいい。21時30分から四ヶ浦さんの追加の話と、夜しか参加できない方へのサービス実験。夜ですので炎色反応の炎がいちだんときれいでした。合間を縫ってNさんの工作紹介がありました。23時まで熱い科学談議に盛り上がりました。旅館の大広間を貸し切り状態で使えました。23時過ぎに片付けていただいた女将さんありがとうございました。

 26日(火)も晴れました。
 7時には起床。7時15分に朝食。
 8時45分に関東天然瓦斯開発株式会社に出発。
 9時から見学です。まず、会議室でレクチャー。9時50分に大型の車2台も手配していただき、ガス採取場へ。農家が自給のためのガスを自分で採取している素朴なガス管も見せていただきました。Sさんから「初めて知ったことがたくさんあった」という感想をいただきました。
 すぐ近くのココスで昼食と総会を行いました。科教協ちばのツイッター開設を前向きに考えています。13時30分まで。

 冬の学習会は約30名の参加者でした。

 四ヶ浦さんは吹雪の中の帰宅で、夜中に無事金沢に到着されたそうです。お疲れさまでした。助手として講演をフォローされていた奥様にも大変お世話になりました。
2018.01.09 Tue l 活動報告 l COM(0) TB(0) l top ▲
科教協第63回全国大会静岡大会
            2016年 8月6日(土)~8日(月)
                

8月6日(土)「あざれあ」(静岡県男女共同参画センター)
〈午前〉科学お楽しみ広場


〈午後〉はじめの全体会、
記念講演
     講師:長谷川博氏、アホウドリの研究と保護活動の第一人者
〈夜〉ナイターⅠ

8月7日(日) 静岡大学教育学部

〈午前・午後〉分科会
 ① 幼児・小学校低学年(生活科) ② 小学校中学年 ③ 小学校高学年
 ④ 物理 ⑤ 化学 ⑥ 生物 ⑦ 地学 ⑧ 障害児・者と自然科学教育
 ⑨ 自然と社会 ⑩ 教員養成

〈夜〉ナイターⅡ

8月8日(月) 静岡大学教育学部
〈午前〉分科会
〈午後〉おわりの全体会
      ミニ見学会 (ふじのくに地球環境史ミュージアム)


8月9日(火)フィールドワーク「富士山宝永火口」


 全国から北海道から鹿児島まで400名以上のたくさんの仲間が参加しました。新規入会者は12名いました。暑い静岡でした。静岡の皆さんお世話さまでした。
 全体会の講演会で「アホウドリをオキノタユウと呼ぼう」と話された長谷川氏の講演と元高校の校舎の上手に活用したふじのくに地球環境史ミュージアムが心に残りました。

静岡大学の印象
 静岡大学の教職員や学生には申し訳ないが、北大から山口大学まで国立大学や私立大学を多くの大学を覗いて来たが、このように年寄りや障がいしゃに優しくない大学は初めてであった。学生(聞くと元学生であったが)にも「どうなの?」と聞いてみたのだが苦笑いしていた。後日、静岡大学出身の市会議員と話したが、彼女の通っていた頃からの川柳で、寮歌をもじった『日々(にちにち)の足の太さに驚きぬ あまりに山の高きに学びて』という有名な句があるのだそうだ。彼女は卒業して40年以上経った今でもすらすらと言えるので余程有名な句なのであろう。坂のことを定年坂(定年が近くなるととくにきつくなるので)とも言うのだそうだ。
 なお静岡大学工学部は浜松にあり、こちらは平坦部にあるキャンパス。静岡大学工学部も訪問したことがあるが、独自のTVを開発した高柳健次郎氏で有名で高柳記念館がある。
2016.08.10 Wed l 活動報告 l COM(0) TB(0) l top ▲
科教協ちば
6月の学習講座
科教協ちばの6月の学習講座が市川市の昭和学院中学校・高等学校にて開催されました。

日時 6月18日(土)13時から受付
           13時30分から

場所 昭和学院中学校・高等学校 市川市

参加費 100円(会員・学生は無料)

授業実践報告後にお楽しみ広場(実験紹介やグッズ紹介)

実践報告
☆「ICTを活用した理科の授業実践~理科における言語活動の充実~」
☆私の今までの和洋での授業実践
☆市川大野高等学園での理科の授業
☆「放射線災害」の授業報告

お楽しみ広場(実験紹介やグッズ紹介)
「生物教材((ボルボックス・ゾウリムシ・シャジクモ))配布」
「ジャガイモの配付(メークインとダンシャク)」
「DNAビーズ模型」
「フレミングの左手の法則を簡単に」
「手回し発電機の実験紹介など」

参加者は14名(学生1人)でした。
会場校である昭和学院中・高には大変お世話になりました。校舎がキレイで使いやすかったです。私立の教員の方々もいろいろと忙しそうでした。
2016.06.21 Tue l 活動報告 l COM(0) TB(0) l top ▲
科教協全国研究会
「すべての子どもたち」に理科を学ぶ楽しさを
                    参加費1000円
 期日:2月7日(日)  10時~16時
 会場:東京都市大学 1号館3階のJ教室 (元の武蔵野工業大学)
   (東京都世田谷区玉堤1‐28‐1 東急大井町線尾山台駅下車徒歩12分)
報告1 三上周治さんの報告と質疑

報告2 佐々木仁さんの報告と質疑

全体討議
2016.02.07 Sun l 活動報告 l COM(0) TB(0) l top ▲